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プレスリリース

Deeply Depleted Channel(DDC)によるニア/サブスレッショルド技術でエネルギー消費を低減

2016年04月21日

三重富士通セミコンダクター株式会社
Centre Suisse d’Electronique et de Microtechnique SA

三重富士通セミコンダクターとCSEM社が 次世代IoTデバイス向けUltra-low power(ULP)ソリューションを共同開発

横浜市およびヌーシャテル(スイス) 2016年4月21日‐三重富士通セミコンダクター株式会社(MIFS)とCentre Suisse d’Electronique et de Microtechnique SA社(CSEM社)は、IoT・ウェアラブル市場向けにDeeply Depleted Channel(DDC)技術を用いたニア/サブスレッショルド技術の共同開発に合意しました。今回の合意には、本技術の性能評価用チップの開発に加え、超低電圧、超低消費電力スタンダードセルライブラリ、パワーマネージメントセルおよびメモリの開発が包括されており、さらに関連する機能IPのクロスライセンスも含まれる予定です。

IoT・ウェアラブルデバイスでは優れたエネルギー効率が極めて重要です。「バッテリー駆動時間をより長く」かつ「機器をさらに小さく」という相反する要求に対し、標準的なCMOSテクノロジーは限界に到達しつつあり、新たなソリューションが早急に必要になってきました。デジタル回路の消費電力は電源電圧の2乗に比例するため、低電圧で動作することは開発コストを抑えつつ消費電力を著しく下げることができる理想の形です。

クラス最高の超低消費電力プラットフォームの開発

MIFSのDeeply Depleted Channel(DDC)テクノロジーを使うと、最大の電力効率を得られる0.5V以下の電源電圧(VDD)で動作する超低リークトランジスタの製造が可能になります。DDCは標準CMOSと比べ、しきい値(Vt)のばらつきが小さく、性能低下を最小限に抑えたまま低いVDDで動作します。DDCをミックスドシグナル、RFおよびエンベデッド不揮発メモリと組み合わせた40nm/55nmCMOSテクノロジーに適用することで、IoT・ウェアラブル製品に最適なアナログやRF SoCを低コストで実現できます。

今回、MIFSは豊富な低電圧・低消費電力回路の設計経験をもつCSEM社と協力し、DDC技術を用いたニア/サブスレッショルド電圧動作をターゲットにした「超低消費電力IPプラットフォーム」を構築することになりました。目標は、クラス最高の超低消費電力(Extreme-Low Power=ELP)プラットフォームとそのエコシステムを構築し、バッテリー環境が厳しいIoT・ウェアラブル製品向けの回路設計を可能にすることです。

Win-Winの連携

三重富士通セミコンダクター 取締役 執行役員常務 千々岩雅弘のコメント

当社のDDCテクノロジーは、クラス最高の低電圧・低リーク動作を実現しています。CSEM社との協業によって、このテクノロジーのメリットを我々のパートナーが広く享受できるようなエコシステムの構築を進めていきます。

CSEM Vice President of ultra-low-power integrated systems Alain-Serge Porretのコメント

MIFSとのパートナーシップは、当社の長期に渡る超低消費電力(ULP)デザインへの取り組みと完全に一致しています。まもなく我々のソリューションのポートフォリオにDDCベースのIP群を追加できることを大変嬉しく思います。当社の超低消費電力デザインサービスとIPのラインナップの強化につながることは間違いありません。

この新しいプラットフォームの可能性を最大限発揮するために、日本と欧州のプロセスエンジニア、ライブラリ開発および超低消費電力(ULP)設計のエキスパートが密接に協力して、本開発は進められます。2016年末までにプラットフォームの一部の提供を開始する予定です。

CSEMについて

CSEM社は1984年設立された民間非営利の研究技術組織(官民パートナーシップ)で、マイクロテクノロジー、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロニクス、システムエンジニアリング、太陽光発電や通信技術を専門としています。およそ450人の様々な化学・技術領域のスペシャリストを、スイス各地(ヌーシャテル、チューリッヒ、ムッテンツ、アルプナッハ、ラントクワルト)に擁します。

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ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社
ビジネス開発統括部マーケティング部
電話:045-620-2682(直通)
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